2010年1月9日土曜日

第二回「自分の仕事」を考える3日間 一日目

働き方研究家 西村佳哲さんがファシリテーターをつとめるフォーラム、2010年は第二回目にあたります。「仕事」や「働き方」をテーマにゲストを招いてお話をうかがい集まった参加者同士も話し合えるフォーラム形式のトークセッションです。

参加者は一日150名。奈良県立国立図書情報館の交流ホールにて開催されました。私は、シブヤ大学の奈良ツーリズムとして参加。

9:30-12:00
ミシマ社代表/出版人 三島邦弘さん

三島さんは現在「小さな総合出版社」を自由が丘の一軒家にオフィスを構え7人のスタッフで運営しています。小回りがきく小さな出版社で、直販で企画から編集、営業まで全部やってます。ジャンルにとらわれず「やろう!」と思ったものを扱っている。本当に伝えたいものを本にしたい。

最初は大手出版社で働いていて、愉しかったけど本が出版されるまでのプロセスが見えなかった。退職して、別の出版社につとめたけどここも数年で退社して、いまのミシマ社を創業しました。最初は一人でしたが、いまは7人の仲間がいます。

三島さんの「こだわり」と「情熱」がすごく会場によく伝わったと思う。個人的にも「仕事をするのにちょうどいいサイズ」「大企業になると、プロセスが見えなくなる。手続きをするうちにやる気がなくなりがち」というところは注目点でした。これからの情報化時代は、意思疎通ができる価値観を共有できる小さな強いチームが押し進めて行く感じがする。じゃぁ、大企業はどうしたらいいの?というところを自分でもっと考えてみたい。

13:30-16:00
Open A代表/建築家
馬場正尊さん
馬場さんと言えばなんていっても「東京R不動産」が有名。馬場さんの場合は「こうなりたい」と思ってなったわけじゃなくて、要望に応えていった結果「こうなった」というもの。馬場さんは、自分に努力させるために「外圧」が必要っていってます。馬場さんってかなりきっちりな性格な気がしていて、まじめに積み上げて行った結果が今。なんだろう、ある意味派手なインパクトとかおもしろさはないんですが、その裏ですごく積み重ねているものがあるんだろうなって思った。

16:30-19:00
ネパリ・バザーロ代表/事業化家
土屋春代さん
お話が始まる前は、事業の「フェアトレード」という言葉の方にひっかかっていたし、なんでネパールってネガティブに見てたんですが、お話始まったらすごく引き込まれた。フェアトレ−ドという言葉は、やはり今後は外して行くっておっしゃっていた。

土屋さんがやっていらっしゃるのは、お茶や生産物の企画をしてネパールの村の人たちに作ってもらって日本で売るという事業。40歳手前でスタートされて18年経ったそうです。フェアトレードというと商品そのものの魅力はあまりないイメージだったのですが、とてもきれいな紙のカタログ「ベルタ」(リンクはオンライン)を拝見したら、どれも魅力的な商品でイメージががらりと変ってしましました。今は、お嬢さんもお仕事を手伝われているそう。

扱っているのはコーヒー、紅茶の他手編みのニットや綾織りの洋服、銀やフェルトの小物/雑貨など幅が広居。日本の小売店は400〜500軒。ある程度力がついた生産者は、もっと大きいところに取引を引き渡している。ネパリはこの規模でやっていく。

印象的だったのは、土屋さんはこの事業のために休みなく働いている。でも、ネパールの人たちは家庭を大事にして決まった時間しか働かない。でも、それには理由があって彼らの生活インフラには水道や電気、家電製品などがないこと、だから家事にかける時間が長いため長時間の労働はできないとのことでした。日本の当たり前にある生活インフラがいかにありがたいものかを改めて感じた。

ネパリのカタログを拝見してて、写真も娘さんとスタッフで作られるそうですが完成度も高くよく作り込まれている。商品も魅力的で企画もすばらしい、ほんとに立派な事業家。

0 件のコメント:

コメントを投稿