2011年10月23日日曜日

「ペンギン、カフェをつくる」にこめられた思いとプレデザインについて。



2011年3・11の震災から半年が過ぎたころなのだと思うが、自分の中に漠然とした「コト」が浮かんできて出会う言葉のいろんなものがひとつの方向を指し示すようになってきた。

今となってはその形が「プレデザイン」という概念でひとつにつながり始めてきている。

その最初のきっかけをたどってみたら、2011年の4月2日の三谷宏治家から始まっていた。

三谷家は、毎年春に自宅を開放して大宴会が開催されている。私は、三谷さんの後輩にあたる森正弥氏に連れられて勉強会仲間数人と昨年お邪魔したのが最初。毎年2日間、100人以上の人たちが三谷家の玄関を訪れ、さまざまな業種や立場のお客さん同士が家中のお部屋で気ままにグループを作り、互いのことを話し聞き合い、たくさんの化学反応を起こしてみんな帰っていくという不思議ですごい宴会なのです。

2011年は震災直後で世間がなんとなく自粛なムードの中開催されないかもと思っていましたが「やりますよ」というお知らせをいただき、知人二人でお邪魔することにしました。

今年はさすがに昨年よりは少な目の来訪者だったように思いました。どこかゆったりしていて、昼過ぎからおじゃました私たちはすっかり夜まで居ついてしまいました。三谷さんが「最後にプレゼンするから集まってー」とおっしゃって、吹き抜けのリビングルームに残っていた人たちが集まって三谷さんがプレゼンテーションを始められました。震災という非常時に人はどのように危機と矛盾した行動をとってしまうか?そこから助かるためにどいう行動しなくてはいけないか? 三谷さんからの日本への励ましたのメッセージをいただいてその夜は帰宅しました。


そこから4カ月少したった8月下旬に「ペンギン、カフェをつくる」が上梓されました。それと同時にフェイスブックに「三谷3研究所」を発見! そのナカミも惜しみなく発信されているトコロに、三谷さんの「届けたい思い」を強く感じ、書店でかわいいペンギン君の表紙のその本を発見!


「ペンギンがカフェを作る」これってまさにプロジェクトでありプロダクトの開発ではありませんか!

新しい価値を創造する、イノベーションを起こす知恵が楽しくぎっちり詰まってます。<ここ、すごいポイント。

第一講 常識離脱:ヒトはなぜ、学ぶほどつまらなくなるのか
第二講 「面白い」視点:非常識なヤツになる
第三講 「驚き」の視点:異分野の深い学びで突く
第四項 「言葉」の視点:本質を見抜いて絞ってずらして拡げる

いま「当たり前を疑う、当たり前のバックグランドを理解する、新しい当たり前を作る」のが「プレデザイン」だと私は理解しています。

この本の最後の最後の三谷さんの署名に
「がんばろう、日本!被災地自立にむけた息の長い支援を 三谷宏治」
書かれていたここで思わず落涙してしまいました。

これからの日本に必要なのは、それぞれの場でイノベーションが起こせる力です。当たり前を見直し、当たり前に付加価値をつけ、当たり前を変えるそういう力こそが、復興の力強い核になっていくと確信しています。

時を同じくして、「西村佳哲 × 養生園・森のキッチン プレデザイン・ワークショップ "食べること〟を食べながら考える2泊3日」に参加させていただきました。個人的には西村さんが「食べる」をテーマにしている!というところに惹かれての穂高だったのですが、なんとナカミはプレデザインでした。:-)
先日なくなったスティーブ・ジョブスの名言も「Think different」(当たり前を疑え)です。

世界中がいま、あなたの Think different を必要としています。三谷さんと多くのイノヴェーションを起こしている方々からの力強い励ましの言葉が、多くの人に届きますように。

2011年10月23日
Kayoko Takahsahi